道路構造改革は何をするのか (暫定版)
道路構造改革で何をしようとしているのか、とりあえず全体的に知っていただくために、
ある程度の項目を掲載します。
書きためた原稿を見て思い出したりしたら、適宜追記していきます。
初出 2006.02.15 改訂 2010.08.14
主に道路構造について、また道路整備の制度にかかわること
基本として国がすべきこと
主要先進国の道路整備・交通に関わる法律や制度、基準、さらに会議などの資料を徹底的に翻訳し配布(webで閲覧できるようにする)。(日本語感覚にしてしまわないことも大切、交通工学等の理解がある人も交えて翻訳)
1 道路構造令の抜本的な改正
- 理念
- ・「みち」に求められる機能を正しく再認識する。
−−「街路」と自動車が自動車らしく走行するための狭義の「道路」のメリハリをつける。
・エセ交通容量主義から旅行速度主義への転換。
並行して、道路安全監査(Road Safety Audits)体制の整備。(道路安全化監査、交通安全監査?)
- 具体例
- ・道路の横断構造
−−車線幅、駐車帯、歩道や自転車走行空間や植樹帯のありかたについて
・交差点構造の抜本的な改革
−−ロンポワンや高規格導流式交差点の導入について
・既存の一般道の無信号化や高規格化という新しい政策について
・インターチェンジ等の合流部の構造について
・道路中央に交通島のある横断歩道の積極的な導入
・歩道のない街区や路地(ミニ開発なども含む)の整備を基本的に禁止する
(数件の住宅のための行き止まりとなっている枝道や、自動車が進入禁止の道や、HOME ZONE 指定する場合を除く)
・既存の歩道のない街路の取り扱いについて
2 高速道路(高規格有料道路)の無料開放または抜本的な料金改革
- 対距離課金制度(走行距離課税)の導入
- 【理由と説明】
・高速道路と一般道がほとんど変わらない感覚で使われている「世界の常識」に近づけ、一般道との役割分担を是正することで、様々な不合理を解消。
−急速に進展する情報技術を最大限に活用して社会に役立てる。
−ブラグインハイブリッド、電気自動車などが普及しても、公平な税負担で道路財源を安定的に確保するため。
とにかき参考エントリー
- 高速自動車国道、一般有料道路
- 【説明】
・ほとんどの路線で、I.C.の交通量増加に対応するための周辺整備や増設、並行路線(第2東名・名神など)の開通までの期間で、時限的、実験的に抜本的な値下げをする。
−無料開放するか、道路交通の経済性の観点から適切な料金への料金改革をするのか決定。
−−公平性を増しながら財源を確保するために、通行証(ビニエット)制度の導入も選択肢に入れる。
−無料開放が基本でも一部路線は、料金改革にとどめるかもしれない。
・一般有料は、本四道路、アクアライン等を除く。
- 都市高速道路
- 【理由と説明】
最大限に利用するために、償還主義を放棄して柔軟な料金制度に。
(改称も行う:誤解の元である高速道路という名称はやめる)
3 1と2をふまえた新しい考え方に基づいて、既存の道路計画のすべてを見直す
- 地域道路計画を策定する
- 【説明】
最大限に事故や公害を減らし、旅行速度を向上させるために、地域ごとにすべての道路計画を再構築する。既存の計画については、是非の検討や経路や規格の見直し等を、新しい考え方に基づいて行う。
- 道路構造改革本部、道路構造改革国民会議の創設
- 【説明】
これまで、道路計画というものは政治や行政の内部では調整していても、国民に見えなかった。 それを見える形にしながら、広域的地域的それぞれに新しい道路整備計画を構築するために、国では道路構造改革本部を、地域ごとにも地域道路構造改革会議を創設し、市民の側でも道路構造改革国民会議を創設する。(機関の名称はすべて仮称)
主に道路交通法規とその運用にかかわること
基本として国がすべきこと
主要先進国の道路交通に関わる法律の翻訳と配布(日本語感覚にしてしまわないこと)。国連の、道路交通条約、道路標識条約(ウィーン会議)に準拠させるべく、道交法の抜本的改訂。(道路構造令の抜本的な改正と連動)
個々の道路利用者に特に直接関係すること
速度規制の見直し渋滞(速度低下)時のハザードランプを規則にする
日本では定められていない標識や規則の「導入」
譲れの規則と標識Shared Space(シェアドスペース:分かち合う空間)の導入
その他多数
交差点の信号機の適正化
- 信号灯機の位置の適正化
- −交差点の奥から手前へ
−路端式を基本にして縦に設置しなおし、頭上へは必要に応じて補助的に。
- 右折信号をできるだけ独立させる
- 【理由と説明】
右直事故を減らすため。外国では、交通量の少ない規模の小さい交差点を除いて(日本で言う)右折車用の信号現時は直進用の現時と分離しているのが基本。
関連して、「信号+青矢印」をやめて、全部矢印の信号灯機を導入する。
- 信号の全赤時間を基本的に廃止
- 【理由と説明】
成り立ちからして法治国家の施策として問題があり、ドライバーの意識をダメにして事故の要因となっており、青時間も無駄にしている。このため全赤時間は基本的に廃止する。必要に応じて黄色信号の延長。
- 信号機の高度化
- 【理由と説明】
これまでの渋滞対策としてではなく、あまりにも多い信号交差点による無駄な停止時間など(遅れ)を最小限にして、基本的な旅行速度を向上させるために、ロンポワン(ラウンドアバウト)化ができない信号交差点で、感応式などの高度制御化を積極的に進める。
- 灯箱=筐体(きょうたい)の色を変える
- 【理由と説明】
他国では、灯火が目立つ黒か、信号機自体が目立つ黄色であることが多いが、なぜか日本では灯火も箱も目立たない灰色が基本となっている。
標識等の適正化
(書きたいことがかなり多いのでごく一部です。)- 法定外標識の使用を規正し、法定標識を適正に掲示する
- −− 規制速度で走行していれば不要な急カーブでの警戒標識の適正化
- 案内標識
- 一般道の案内標識の標示方法の基準をみなおし、是正する。
特に、高規格道路では、車線数と矢印の数を対応させるなど。
- 下向き赤三角の「止まれ」は廃止し、国際標準である8角形の「STOP」に替える。
- −− 譲れ標識の導入に備えるため。外国人旅行者への対応。
路面標示の適正化
- 法定外路面標示を規正する
- 減速路面標示、減速区画線、エスコートマーク
(名称が統一されていない車線の両側の四角い破線のようなもの)
アローマーク >>>>>>>> ]]]]]]]]] 他
その他
- 無信号交差点で
- 停止線位置の適正化
ニセ停止線を消す(愛知県)
- 車道中央線
- 狭い街路では基本的に抹消
黄色継続線、白継続線、白破線、の意味を抜本的に改正
追い越し関連
単純な禁止か可能か、から、必要に応じて危険性の低い追い越しを可能に
−−破線の密度による意味の違いを持たせる
−−戻れ矢印の導入
- 車道外側線
- 狭い街路では基本的に抹消
主に道路利用者の意識と行動にかかわること
基本として国がすべきこと
主要先進国の道路交通教育の研究(日本語感覚にしてしまわないこと)。−−関係する資料の翻訳と配布
教育啓発活動
- これまでとは違う教育啓発活動を徹底的に行う
- −−危機意識のない交通“安全”運動からの脱却
【説明】
ジャーナリスト国沢光宏氏によると、かつての交通戦争と言われた時代には毎日の家庭の会話で交通事故が話題に上ったそうだ。 今再び、家族や友人との会話、職場での会話で、交通事故の話題が上るように、危機感を持たせられる教育啓発活動を徹底的に行う。
- すべての運転免許保有者を対象とした再試験
- 【理由と説明】
新しい道交法の制定に伴う、速度規制の見直しや新しい規則や標識などへの対応を確実にするため。
これまでの教育環境によって運転不適格者と呼んでも過言でない状態になっている運転者の振り分けと再教育のため。